森の絹の誕生
生産をはじめたきっかけ
ねっとりとなめらかな食感で黄金色の蜜がたっぷり。このさつまいもを飯南町に導入したのは、本田哲三さんです。
本田さんは高齢者介護や障がい者支援など地域福祉の担い手として奮闘している中、施設の皆さんと農作業に取り組むにあたり、本田さんがこれぞと目をつけた作物が、さつまいもでした。
施設で畑を確保し、10年ほど前からいくつかの品種を育ててきましたが、その中で出来栄えがずば抜けてよかったのがシルクスイート。本田さんがこの品種と出会うきっかけは、2016年に起きた熊本大地震でした。
きっかけは熊本地震
本田さん
「震源地の近くに西原村というところがありますが、うちはそこの農家さんから何度か芋苗をもらっていたんです。聞けば、被災して出荷するはずだったさつまいもが売れずに困っていると。それで私、トラックで現地に乗り込んで芋を買い取り、こっちに持って帰って販売してあげたんですわ。」
そのことがきっかけで、熊本ではシルクスイートという品種が作られていることを勉強させてもらって、こちらでも試しに育ててみたら非常においしかったんですね
元々、生産地の島根県飯南町頓原(とんばら)にある「宇山(うやま)地区」では、数人の農家が約10年前から減反政策に対する転作作物として、さつまいも作りを行っていました。
地域内循環型の有機農法にこだわり、様々な試行錯誤を積み重ねた結果、3年目にして「焼き芋糖度50度以上」にもなる高糖度のさつまいも作りに成功しました。
芋づる代官を目指して
本田さん
「私はね、この地に産業を興して、地域が豊かになる仕組みを作ることが最後の生きがいだと思ってます。芋づる代官ぐらいにはなりたいなあと思ってますわ(笑)」
地域活性化
甘〜い芋が過疎地を救う!
中山間地に農業を通じた産業を!
飯南町頓原は難しいノウハウを持っていなくても、そこにある大自然に委ねた栽培で美味しいさつまいもができる土地。この土地を生かして地域を活性化させたいと」考えています。
「森の絹」というみんなで作り上げた作品を全国に知ってもらうことでより多くの人が芋作りに関わり心地よく労働して地域活性化を目指したいと思います。
森の絹ブランドについて
国立大学法人島根大学・公益財団法人しまね産業振興財団等との産学官連携により、「バナナよりも甘い」雪山の天然スイート焼き芋“森の絹”を島根県発の地域ブランドとして展開致しています。
「シルクスイート」「紅はるか」等のさつまいもを総称したものが、島根県発の地域ブランド“森の絹”です。
さつまいもを計画的に生産・加工・販売を拡大していくために、農家や行政、大学や民間企業等と連携して“森の絹”というネーミングで、発信し、お客様一人ひとりに感動を届けていきたいと考えております。
新たな挑戦!
「もったいない美味しさ」を伝えたい!
生産するさつまいもの中には小さい芋、大きすぎる芋、形が細かったり、曲がっていたり、丸かったり、傷があるものもあります。そういった市場に出せない、でもおいしさは変わらないユニークな形のさつまいもを詰合せにしてクラウドファンディングに挑戦しました。
クラウドファンディングでは、規格外のお芋を多くの方に応援購入いただき、なんと5回のプロジェクトで累計サポーターは約3600名になりました!
日本一イメージが控えめな県からのお芋を多くの方に知っていただき嬉しいです!
さつまいもに限らず規格外野菜は、市場に出回らないことが多く廃棄されてしまうこともあります。
私たちはユニークな野菜に価値をつけ、フードロス「さつまいもロス」に向き合っています。「島根県発・地域ブランド」としてこの“森の絹”の取り組みを全国発信し、お客様一人ひとりにもったいない「おいしさ」の感動を届けていきたいです!